Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

いくつになっても今日がはじまり

羽生章洋の個人的な記録

もう一度ここからはじめよう

…という歌があります。ベタな曲ですが割と好きです。

www.youtube.com


というわけで(?)最後のSeasarカンファレンスが無事に終了しました。私は5コマ連続で「SIを再定義する」というテーマでお話をさせていただきました。

私がひがさんを焚き付けたことから後にSeasarと名付けられることになるシンプルなAPサーバが生まれたわけですが、そのきっかけとなった2001年当時のNifty Serve上のとあるパティオでのやり取りは今でもしっかり覚えています。2003年にOSS化され2004年にSeasar2が出たことで注目を集めたSeasarが日本のITの世界に刻んだことは決して小さいものではないと思いますが、ほんのささやかな雫の一滴が大きな川の流れを作ってやがて巨大な海に注ぎ込むように、私のほんの思いつきの一言に反応して1ヶ月後にひがさんが最初の原型を完成させたChuraがここまで来たということに、その原初の時期に関われたこととその後の飛躍を一緒に体験できた幸運を心から嬉しく思っています。

さて、当日も何度かお話しましたがSeasarのルーツ・魂は「業務システムを作る現場のため」です。そして15年経過した今も「業務システムの現場」はたくさん存在しますし、モバイルやクラウドの定着を経て、そしてIoTやAIなどの今後の飛躍を見越しながら、より一層のニーズの高まりというものを実感しています。ともすればSIやエンタープライズという領域における停滞感・閉塞感やネガティブな印象が先走ってるきらいがありますが、ちゃんと現場というよりも顧客にフォーカスすれば後ろ向きな話をしている余裕が無いほどに、たくさんのやり甲斐ある課題が山積みであることに気づきます。それらについて、単なるリプレースではなくリブートするということ、今のテクノロジや手法によって再定義するということ、ブームの変遷の末に見失われてしまった過去の優れた知見を再発掘した上でリファインすること、それらについてお話させていただきました。

ライブドア事件などに伴っての「ITは虚業だ」という虚言によって捻じ曲げられてしまった日本におけるITに対する理解をもう一度整理して、そもそもビジネス用語として誕生したITという用語の本質が「エンタープライズシステム meets Web」であること、それゆえにエンタープライズITやICTなどという言葉こそが言葉遊びであること、SIという言葉が「実業としての従来型ソフトウェア関連ビジネス」を意味するものとして捻じ曲げられてしまったことなどを踏まえて、もっとストレートにITをやろうというお話からはじまり、そのための個別要素についてお伝えさせて頂きました。

今という時代においては若干の古さを感じさせる楽々ERDレッスンに関する補完もお伝えしましたし、各種ブームの末に手法の存在自体が埋没して喪失されてしまったプロセス設計を改めて掘り起こす必要性や具体的な手法・ツールについてもお話しました。幾つかの要素は時間の都合で網羅できませんでしたが、概ね今の企業向けシステムを構築するに際して、私が今もって現場に立っている中で実践している内容については一通りお話しました。幾つかの足りてない部分については、今後また機会があればお伝えしていきたいと考えています。

ともあれ、Seasarは一旦ここで区切りがつきますが、業務システムを作るというIT屋さんとしての仕事に終わりはありません。私個人は、このブログのタイトルのように、あるいは本記事のタイトルのように、ここからまた改めて始めて地道に進めていこうと思っています。

要件定義については書籍のとおりです。もはや特に追加することも無いように感じてはいます。お話をしたようにプロセス設計関連はマジカの新版と共に11月に改めて色々とお披露目する予定です。DB設計についてはお話できたので個人的にはもういいかなとか思ってますが、毎月開催している「いきいき塾」にて来年のどこかでテーマにするかもしれませんので、ご興味がある方はその折にご参加ください。

そして昨年と今年と連続で披露して一部の方からご好評を頂いている「ミライクエスト」ですが、IT化企画やビジョンデザイニングそしてプロジェクトデザインまでを着実に出来るようにするというところまで含めて、来年にはもっと広く手軽に実践して頂けるようにするつもりです。これが当面のテーマなのかな。どうなんでしょうか。それぞれの手法ごとにお客様のご理解とご協力を頂きながら各現場での実践と検証を繰り返しつつ、なので要件定義の本がまとまるまでに7年ほどかかったように、まだもう数年はトライ&エラーかもしれません。とはいえ地道に継続していきますし、幸か不幸か多分どんな時代になっても必要であって不要にはならないと思ってますので、反復再現性が確実になった部分から、ちょっとずつ出していこうと思います。マジカも12年経ったことですし同様ですね。

そんなこんなで、また何かあれば告知させて頂きます。というかもう少しちゃんと小まめに更新しなきゃ、ですね(笑)。ご都合とご興味が合えば是非今後ともよろしくお願いいたします。